2017年12月10日日曜日

ぶりこの真実

「はたはた」ってのは、昔々の雷鳴のオノマトペであって、現代にたとえると「ゴロゴロ」と同義らしい。したがって雷鳴がとどろく頃にやってくる魚だから「ハタハタ」。
  冬の大荒れの海にやってくるから「波多波多」って説もあるのですが、今回はハタハタの子ども、つまり、卵、いわゆる「ぶりこ」の語源を考察するのであります。
粘るぶりこ 
粘りが苦手な場合は、塩や三五八漬けにするとグッド。

  「ぶりこ」の語源でよく言われるのは「ブリの子ども」説。その昔、秋田の殿様がハタハタを増やすために、その子どもであるところの「卵」を領民が食べるのを禁じた。それでも食べたい領民は、卵をブリの子と偽って食べた。なので「ぶりこ」とする説。けどですねハタハタの異名に「サタケウオ」ってのがあるんです。その由来はと言えば、常陸国、今の茨城県からの国替えとともに獲れるようになったから、  その佐竹の殿様にちなんで「サタケウオ」。

江戸時代の紀行家 菅江真澄が歩いた男鹿
菅江真澄だって、ハタハタの卵を「雷子」としている


 つまりですよ。自分の名前を付けられてまでも呼ばれているハタハタなわけです。それを殿様がブリと間違えることは考えにくい。すなわち「ぶりこ」=「ブリの子ども」説は無理がある。

  とすれば、やはり食べるときに発する「ブリッブリッ」音に由来する説がもっともらしいのであるが、ここで改めて追求してみたいのが「不離子」説。
中心にあるコアとすべての卵がつながっているのです。
   ハタハタの卵の塊をガラスで押し潰すようにしてみると、実はすべての卵が糸で繋がっていて、ハサミを入れない限り離れない。これが食べるときの粘りの正体なんですが、海水に触れると瞬時にして固まって、ガチガチになる。その結果、海藻に産卵された卵は1か月以上もふ化まで流されずに生き残ることが出来るんです。すなわち、離れない子。だから「不離子」。
 昔は、卵を取り出して、塩水で押し固めて、保存食とする方法もあったらしい。おそらく、調理の際に、昔の人は、この「不離」の姿を見ていたのではあるまいか。
 ところで、ブリコのエネルギーは、あるキャラメルと一緒で、一粒で300m走れるそうです(ウソです)。