2017年12月3日日曜日

秋田の年取り魚は

突然ですが、あなたは「納豆に砂糖を入れますか?」「何を馬鹿なことを聞くのだ!?人をからかうのもいい加減にしろ!ウソだろ!?」という声も聴こえてきそうですが、北海道、山形県、宮城県、新潟県、そして我が秋田県も「納豆に砂糖?当然でしょ!?」、「入れないって?人をからかうのもいい加減にしろ!ウソだろ!?」という県なのです。

北海道、山形県、新潟県、宮城県、そして秋田県は
「けっこう入れます」・・・
それ以外の県からは「うぇー!おぇー!げぇー!」との悲鳴にも似た声が聴こえてきそうですが、秋田も特に県南では、赤飯にも砂糖を入れる。それに豆腐に砂糖や卵を加えて作る「豆腐(富)カステラ」なるものまである。トマトも砂糖をかけて食べる。僕も県南生まれなのでいずれも経験済だし、いずれもその美味さを知っている。まぁ何をもって美味しいかってのは、人それぞれなので、押し付けはしませんが、前述の5県は「納豆に砂糖をけっこう入れる県」なのだそうです。


これが「秋田名物 豆富かすてら」だ!

お茶うけ、おかずにも
 どこに証拠があるかって?
 だから冒頭で尋ねたじゃありませんか「納豆に砂糖を入れますか?」と。実はこの質問のフレーズは、本のタイトルだったのですね。副題は「ニッポン食文化の境界線」。100年以上の歴史のある新潮文庫だから真面目だし、納豆に砂糖を入れるのは確かな事実なのです。
 さて、納豆の話題で粘っても良いのですが、いつまでたっても糸を引いて終わらない。なので魚に話を移しましょうこの本の第十章では「サケとブリ」、つまり、「大晦日から正月に食べる年取り魚は、サケかブリか?」を問うている。ざっくりと結論を述べると、東日本はサケ、西日本はブリ。そのなかで東北についてみれば、秋田、岩手、宮城は「どちらとも言えない」県になっている。岩手や宮城の三陸地方ではババガレイ(ナメタガレイ)勢力が強いらしい。
 さて我が秋田はいかに。くだんの本によれば、ブリ0%、サケ27%、そして「どちらでもない」が73%を占めて、それがハタハタかタラなのだろうと紹介されている。たしかに秋田と言えば、年取り魚としては、ハタハタが一番人気のような気がする。年末ともなれば地元紙には保存食でもある「ハタハタ寿司」の作り方が紹介される。

やっぱりハタハタが一番人気なのだろう

伝統保存食の「ハタハタ寿司」 
秋田では年末の地元紙には作り方が掲載される
 けれども、実は「キンキン」つまりキチジ、それに「コイ」もありなんですよね。どっちも年取りを始めとしたハレの宴席に使われる魚ですが、結婚披露宴でのキンキンの大きさが、両家の家柄の関係をあらわす地域もあるんだそうです。けど「キンキン」って秋田の海では獲れないんですけどね。なぜ、その秋田で獲れないにもかかわらず「キンキン」が秋田の魚食に、ハレの食卓に根付いているのかは何故なのでしょう?そのうち誰かが「おまっとさんでした」と理由を説明してくれるのを期待しよう。


秋田の県南内陸部では「お正月」といえば「コイの甘煮」でした
 ところで、秋田の内陸南部にある僕の実家の場合、ハレの日、それに年取り魚といえば「コイ」でした。それも「コイの甘煮」。
 あっ!やっぱり砂糖だ。