2013年12月1日日曜日

沖合VS沿岸 ハタハタ食べくらべ

 秋田の季節ハタハタ漁が始まった。季節ハタハタというのは、メスは大きな卵(ブリコ)を、オスは大きな白子を抱え、沿岸のごくごく浅い海藻の茂みに、繁殖のために押し寄せるハタハタの群れを指す秋田独特の呼び方だ。

平成25年11月28日 季節ハタハタ初漁 (男鹿市船川港にて)
同上
 これからほぼ12月一杯、浜はハタハタ一色になるのですが、その間、常にハタハタが浅瀬で泳いでいる訳ではなくて、成熟の早い、まぁ人間にたとえれば、早熟というか、おませな方たちから、順々と浅瀬に押し寄せて、草むらで、もとい、海藻の生い茂る中で、ナニしちゃう訳です。それで、おませじゃない方、つまり、晩熟というか奥手な方たちは、部屋の外で、もとい、まだまだ沖合の深い場所で、ナニに向けてせっせと一人一人が準備に励んでいる訳です。そして年が変わる頃までには、ほとんどのハタハタが、ナニを終えてすっきりした顔で再び沖合の深い海へと戻っていく訳です。と、以前、秋田のハタハタには「旬」が二回あると言ったことがある(http://jizakana-naka.blogspot.jp/2013/11/blog-post_12.html?m=1)。つまり、秋田では、おませなハタハタと、そうではないハタハタのそれぞれの旨さが味わえるのである。


沖合ハタハタ
季節ハタハタ(沿岸) なぜかヌメリが強い
 と、このたびの季節ハタハタ漁が始まったのを知り、ふと、考えた。今こそ、年二回の旬を一度に味わい比べることが出来るのではないかと。さっそく、沿岸で獲れた季節ハタハタと、沖合でのハタハタを買って来てみました。
 まず、両者を触ってみて気が付くことがある。ヌメリ具合が全く違うのだ。早熟であるところのナニを控えた季節ハタハタは、さすがにヌメリが多いし、沖合ハタハタはサラリとしている。とにもかくにも、さて、どうやって食べ比べようか。ここは、誰が言ったか知らないけれども(私です)、秋田ハタハタ三大料理法と言われる塩焼き、煮付け、しょっつる鍋でいこう。


塩焼き
左2尾が沖合のオス・メス、同様に右は季節ハタハタ(沿岸)のオス・メス
 さて、まずは塩焼きです。個人的にですが、これは沖合ハタハタが好きですね。当然、好みにもよるのですが、季節ハタハタは脂が少なくて、すこし野性味の強い香りがします。それに皮と肉にはやや弾力を感じます。ただ、ブリコは大きくなり粘りも強くなるので、ブリコ好きには垂涎ものかもですね。続いて煮付け。おおむね塩焼きと同じ印象ですが、身肉の弾力の違いが塩焼きよりもはっきり分かります。それにしても、季節ハタハタは背骨が硬い。沖合の塩焼きや煮付けでは、嫌いでなければ背骨まで食べられます。

煮付け
説明は「塩焼き」に同じ
しょっつる鍋には「世界にも通用する究極のお土産」
“秋田しょっつる十年熟仙”を使いました。
しょっつる鍋 左が沖合、右が季節ハタハタ(沿岸)
 最後にしょっつる鍋ですが、これは季節ハタハタの方が、沖合より美味しく感じます。季節ハタハタでは、身肉に脂や旨みが少ない分、しょっつるの味わいを吸い込むのでしょうか、ブリコの美味しさも、沖合ハタハタより強く感じるような気がします。
 ハタハタには、まだまだ沢山の食べ方があるのだが、間違いがないのは、沖合と沿岸、それぞれに合った食べ方があって、どちらも美味いということだ。つまり、どちらのハタハタにも、その特徴に合わせて、それぞれ旗色が良くなる食べ方があるということだ。そして皆さんお気付きであろう、その二つの旗が仲良く合わさったのが、ハタハタなのである。。。
 と、そんなことを言ってしまった私の方は極めて旗色が悪い。おあとがよろしいようで。