2013年12月10日火曜日

悲願達成 イカリング

 積年の悲願をとうとう達成しました。思えば長い道のりでした。年数で言えば一年間。たった一年で積年かと、おっしゃるかも知れませんが、時間で言えば八千七百六十時間。 分なら五十二万五千六百分。秒なら三千百五十三万六百秒です。いかに気が遠くなるほどの道のりかがお分かりいただけたのではあるまいか。
 たった一年で積年が言い過ぎなら、積秒ってことにさせてください。それで積秒の悲願って何?ってことになるのですが、いや、なんともどうもお話するのに、少しばかり恥ずかしく思う気持ちが無い訳では無いのですが、思い切って言ってしまいます。
 実は、あの、その、っていうか、イカリングです。イカリング。そうです。あのイカの筒切りフライのことです。イカリングを作ってみたかったのです。そして当然ではありますが、食べてみたかったのです。だったら、一年も待たずに近くのスーパーに行けば済むじゃあないか。早ければ十分、すなわち六百秒もあればイカくらい手に入るだろうにと、多くの方は考えるのではあるまイカ。

体重4.2kg、全長約100cm

  いやいや、それこそ、そうはイカのキンタなんとか。このイカは一年のこの季節だけ、秋田の海にやってくるのです。だから食べられるのも一年に一時期しかないのです。だから三千百五十三万六百秒もの間、待ち続けていたのでした。
 それでそのイカとは何ものなのかと言えば、タルイカ、図鑑ではソデイカ。食用としては世界最大級のイカです。



腕の振袖が、ソデイカのソデイカたる所以
皮むきが大変でした。。。「スーパーこまち」に見えなくも無い?
とりあえず皮むきを終えて、筒切りに
出刃は刃渡り4寸(約12センチ)
エンペラはリングに出来ないので、湯がいて酢味噌でいただきます。
エンペラの煮付け。
ウインナーソーセージのようなパキリと弾ける歯応えのあとに、
ふにゃりが来ます。
左:腕の湯引き→硬めのマシュマロのような食感。甘い。酢味噌が合いますね。
右:カラストンビ回りの筋肉・軟膜部分。アワビとツブ貝とホタテのヒモが混じったような珍味です。
エンペラの残りは、湯通ししてサラダに
 これまで、四角いブロック状で売られているタルイカを刺身にしたり、ステーキで食べたことはありました。けれどもイカと言えばイカリングです。だから、四角いブロックなどではなく丸のままのタルイカが必要だったのです。


さて、いよいよです。
フライパンは直径30センチ
 それで、知り合いに頼んで、待つこと三千百五十三万六百秒。「タルイカ揚がったよー!」の知らせに矢も盾もたまらず駆け付けて、矢も盾もたまらず、衣を付けて「タルイカ揚げたよー!」なのでした。さて、熱々のタルイカリングにかぶりついてみます。おー!美味い!刺身はねっとりなので、水っぽいかな?と恐る恐るでしたが、美味い!けれども、どこかで食べたことのあるような気がします。
外円:長径13×短径11センチ、内円:直径7×短径5センチ。
手前はスーパーの惣菜イカリングです。

 そうです。立ち喰いそばのイカ天そばです。もちろんうどんでもいいのですが、あのイカ天です。まとわりついている衣こそ違えども、むっちりとした歯ごたえや、肉の甘さはほとんど同じような気がします。でも、けして大味ということはなく、しっかり美味しい。
 ですが、この巨大なイカリングをもぐもぐしていると、あの巨大な姿を思い出してしまい、噛み砕いたはずの肉片が胃袋の中で集結して再生し、ヌメヌメと動き出しそうな気がしてくるのは、イカんともしがたいのでした。