2013年7月7日日曜日

秋田県ベニズワイ食振興協議会(その1)

 このほど「秋田県ベニズワイ食振興協議会」が発足した。略して「ベニ食振協」。会長兼会員1名のまだまだ小さな組織であるが、これから会員数はぞくぞくと増えるはずだ。なぜならベニズワイにはそれだけ人を惹きつける実力があるのだから。
   しかし、多くの人にとって、「カニ」と言われても、頭の中に思い浮かぶのは、タラバガニ、ケガニ、ズワイガニといったところではなかろうか。インターネットで調べてみた限りなのだが、かに専門店として有名処の「か◯本家」や「か◯道楽」でもベニズワイを使ったメニューは無いようだ。何ということだ。両社の経営陣に食材の見直しを進言せねばならぬ。そしてそのようなことも「ベ二食振協」の重要な活動の一つであると、会則第3条に定められている。
 ベニズワイは、どうしても「松葉がに」や「越前がに」と呼ばれブランドになっているズワイガニと比べると、格下あるいはその代用として見られがちだが、そんなことは情報だけを食べて、しっかりとベニズワイを食べたことの無い素人が言っているに過ぎない。
 だから、みなさん、しっかりとベニズワイを堪能しましょう。
 まずは、初心者向けに、ボイルから始めましょうか。
 それには、ベニズワイのボイルを手に入れなければならない。蕎麦には、「蕎麦の三たて」という言葉があって、「挽きたて」、「打ちたて」、「茹でたて」がもっとも美味いという。これにならって、「ベニ食振協」では、ベニズワイの「三たて」を定めた。すなわち「獲れたて」、「洗いたて」、「茹でたて」がそれで、これは会則第4条に盛り込まれてある。なので、会長兼会員は、「ベニズワイの三たて」を求めて男鹿半島に足を運んだのであった。
 とある土曜日の朝8:00。男鹿の船川港で、秋田で唯一のベニズワイガニ篭漁船が水揚げをしていた。まさに「獲れたて」。

いまでは秋田で唯一のベニズワイガニ篭漁船
漁期は1、2月をのぞく周年で、一航海は2泊3日


港近くの加工場兼直売所 紅いカニののぼりが目印

加工場一杯に湯気が立ち上る
大釜でぐつぐつと20分
ここで水揚げされたベニズワイは大半が県外へと出荷されるというが、残りは港からすぐ近くの加工場に運ばれて、甲羅の泥や汚れを落とすためにきれいに洗われる。ここで「洗いたて」をクリア。
 そして、ただちに大釜で一気にボイルされること、およそ20分。
 茹で上がるのを待っている間、決して物欲しそうな顔をしていた訳ではないと思うのであるが、「茹で中」の脚を一本ご馳走になる。なんと、これには、会長も「じぇじぇじぇ!」であった。食べたことの無い初めての食感と味である。少し砂糖を抑えた温かいカニのプリンとでも言ったら良いのだろうか。カニ肉といえば、あの弾力のある繊維を断ち切るような歯応えがあるものだが、「茹で中」には、それがまったくなく、プリンのように溶けるようにして胃袋の中に納まる。「男鹿半島一周海の幸グルメ満喫日帰りツアー」なんてものがあったら、この「茹で中」は絶対に目玉になるはずだ。通常は、茹で上がったら、すぐさま、冷水に入れられて、クールダウン。さぁ、これで「三たて」が揃ったことになる。
 その後、選別されて、店頭に並ぶ。

茹で上がり
クールダウン中 まるでサウナの水風呂のよう
安い!!
これが「三たて」ベニズワイだ
「三たて」にもかかわらず、とてもリーズナブル
産地ならではの「訳あり品」もあるし、とってもお得
 このボイルベニズワイ。持ち帰って、すぐ食べることが出来るし、リーズナブルなので、色んな食べ方が楽しめる。
 もちろん、そのまま、甘みのある、かに肉を、ひたすら寡黙にカニフォークでほじくり出して食べても良いのであるが、それが毎日のように続けば、家の中はきっとどんよりとしてしまう。なので、「ベニ食振協」では、ほじくり工程を食卓には持ち込まずとも、ベニズワイの美味さを堪能できるような、食し方もお勧めしている。たとえば、かにクリームコロッケや、かにグラタンにしたり、まだまだあるであろうが、それらだけでも、ホテルオークラや帝国ホテル(行ったこと無いけど)もびっくりの一品が出来上がる。しかも安い。ぜひお試しいただきたい。

これはかに酢 男鹿のワカメを添えて

新鮮な「三たて」のベニズワイを使えば、さらに美味いクリームコロッケ
ベニズワイグラタン
 ところで、「ベニ食振協」としては、いわゆる提灯記事と誤解されないよう、今回訪問した会社の名称や連絡先を明記することは避けるが、インターネットで、男鹿、水産、ベニズワイなどをキーワードに検索すれば、ヒットするので、ぜひご利用されたい。あるいは、記事中の写真にある4桁-2桁-4桁の数字をダイヤルしても良いかも知れない。
 次回の「ベニ食振協(その2)」では、上級者編として、自宅で茹でる生鮮ベニズワイ食を提案する。さて、そのお味は、いカニ。乞うご期待。