2013年5月12日日曜日

春告藻(その2)

 春告藻(その1)から、一か月にもなってしまい、春を語るに、時すでに遅し感は否めないところがあるけれども、めげずに春告藻(その2)。
 ということで今回はワカメ。
 確かに水揚げのほとんどを占める養殖ワカメの収穫は、地区によっては2月中旬頃から始まり、大半の地区で4月一杯までで終わってしまう。この時期のワカメは、特に男鹿半島では、干しワカメに加工する様子が「わかめのカーテン」とも呼ばれて春の風物詩の一つとなっているが、これもよくよく聞いてみれば、実に手間のかかる作業のようだ。


 春と言えども青空が多くない秋田では、たまの陽射しを見付けては、広場に広げ干したり、棚に吊るしたりと忙しい。基本的には、その日の朝一番で収穫したワカメは、その日のうちに干し上げてしまうそうだが、天気が崩れることもしょっちゅうで、そんな時には、すぐさまガレージや倉庫の中に移動しなければならないそうだ。
 そんなこともあるので、出来るだけ早く干し上げるために、一本一本、根元の方から茎に切込みを入れ、葉の先端に向けて、手で引き裂いたりすることもある。これで、水分の特に多い茎や中芯の厚みを薄くして、干しあがるまでの時間を短くする。一昔前までは一家総出での干しワカメ作りであったそうだが、現在では従事する人も減り、「わかめのカーテン」が見られるのも少なくなってきている。




 ところで、養殖ワカメは例年4月一杯までだが、5月からは天然ワカメの収穫が始まる。養殖物に比べると、小さめであるが、特に根元の「メカブ」が柔らかくて、かつ甘くて粘りが強く、美味いらしい。ただ、獲る漁師も少ないので、残念ながら店頭では、なかなかお目にかかることが無い。
 と思っていたら、男鹿半島の鮮魚店で、見付けてしまった。


 お店のおばさんは、「刻みメカブにするときは、湯通しする前に刻むと簡単だよ。」とか、「天然物は少し苦味があるので、湯通しする前に、重曹をひとつまみ入れるといいよ。」、「天然物は柔らかいけど、今年のは少し硬めかな。」だとか、いろいろと教えてくれる。それと、聞いてもいないのに、ワカメ酒の作り方まで教えてくれた。念入りにしっかり洗うことがコツだそうだ(ウソです)。
 さっそく、湯通しして刻みメカブにしてみる。重曹は使わなかったが、特に苦味は感じない。

これが天然メカブだ

湯通し中 フコキサンチンが赤から黄色に変わる瞬間
たしかに甘い。少しおおげさかも知れないが、「おっ」っと声に出してしまうほどの甘さを感じる。それに粘りが凄い。ひきわり納豆を30回ほどかき混ぜたような粘り具合だ。今度はご飯にかけて食べてみようと思う。 


本日のレシピ

天然わかめの刻みメカブ

①メカブ5~6個
②熱湯
③よく洗った①に、②をかけ回す。
④冷水に③とり、少し冷ましてから刻む。(刻んでから③でもOK)
⑤そのままでも、酢醤油などお好みの味付けで。