2012年12月20日木曜日

ぶりこのなます

先日、道の駅「てんのう」にある「地魚工房えがわ」から「ぶりこのなます」を買ってきた。ハタハタのぶりこに大根おろしと、酢、味噌など、それに小口切りのネギをまぶしたものである。「ぶりこ」とは、ハタハタの卵のことである。直径2ミリほどの卵が平均1,000粒ほどが互いにくっ付き合いゴルフボール大の塊になるが、それを秋田では「ぶりこ」と呼ぶ。秋田音頭の「秋田名物八森ハタハタ、男鹿で男鹿ぶりこ〜」の「ぶりこ」である。なますで食べるのは初体験である。かなりしょっぱくて、酸っぱい。それに強い弾力に歯が押し返される。数の子一粒の直径を2倍、本当はもっとありそうだが硬さを100倍にしてみて欲しい。そんな感じなのである。咀嚼に関わる筋肉を総動員してバリッ!ボリッ!ブリッ!バリッ!と噛み続ける。一粒一粒の弾ける音が骨伝導で頭に響き渡る。立て続けに3個も食べてから鏡を見れば顔の表情が変わっていそうなくらいだ。しばらくすると少しずつ酸っぱさ消えて口中は、にじみ出た卵本来の旨みが広がり始め、結構美味いことに気がつくのである。その余韻を楽しんでいるうちに、口の中は白くて弾力のある卵の殻だけになる。誤解の無いようにであるが、塩焼きやしょっつる鍋などで普通に食べる時のぶりこは、これほど硬いことは無い。顔の表情は変わると言っても、和やかで優しい顔になっているはずだ。なますに使われるのは、メスのお腹からこぼれ出て固くなったぶりこを使うのであるが、だからと言って、浜に転がっているぶりこを捕ることは、県の規則で禁止されているので要注意。