2012年9月9日日曜日

HataHata Revolution

秋田と云えばハタハタ。ハタハタと云えば秋田である。そのハタハタにとって、今年、2012年は歴史的な年となりそうだ。となれば、秋田にとっても歴史的な年になるのだ。もちろん当のハタハタに自覚は無いだろうが、そうなのである。何が歴史的なのかと言えば、ハタハタも、そして我々秋田県人も経験したことの無い食べ方が、続々と登場しているのである。まずは、ハタハタの活け締めに始まり(2012ハタハタ・ヌーベル・キュイジーヌ編参照)、ハタハタ丼、そして極め付けはハタハタせんべい。それにパンまで!まさにハタハタ食文化大革命である。

男鹿ハタハタ丼 平成24年4月1日デビュー
男鹿のハタハタが一年中、いろんな丼で味わえます。以下、これまで食べたハタハタ丼。
男鹿ハタハタ丼3か条:1.ハタハタを使うこと、2.しょっつるを使うこと、3.昼食メニューであること。
船川港湾食堂 ハタハタ白波丼:白髪ねぎと岩のりが男鹿の海をイメージさせる。
 
福の家 ハタカバ丼:小さな白い小粒はブリコ(卵)。まさに親子丼。
 
ハタハタデニッシュ(原材料:もちろんハタハタは一部も含まれていません。)

 
ハタハタ姿せんべい:まるで化石。明かりに透かして食べると楽しい。味付けにはしょっつるが。
                              
その昔、厳しい真冬に、雷鳴とともに浜に群れをなして訪れ、恵みをもたらす鰰(はたはた)は、読んで字のごとくまさに神の魚であった。したがって、神の魚には、神の魚たるべくその道を外れてはならない食の作法があるのだ。すなわち、生で食べたり、丼ものにしたり、まっ平らにプレスしてしまうのは、神の怒りに触れる忌むべき行為であるのだ。しかし、それもすでに過去形になろうとしている。つまり、昔ながらの食べ方では誰もハタハタを食べない時代になってきたのである。我々、40歳代は、かろうじて昔ながらのハタハタ食文化を継承している。つまり、季節ハタハタ漁(11月後半から12月中旬にかけて繁殖のため沿岸に訪れるハタハタを漁獲する漁を秋田ではこのように呼ぶ。)の時期になると、いてもたっても居られなく落ち着かなくなる。そして、蜘蛛が巣を張るように、いつハタハタが来ても、直ぐにも喰ってやる体制を整え始めるのだ。ハタハタと秋田県人は遠距離恋愛のカップルに例えると分かり易いかも知れない。それほどまでに、ハタハタと秋田県人には切っても切れない関係があり、体内時計にもハタハタの季節が刻み込まれているのである。そしてハタハタは、朝も昼も夜も、毎食、軽く10匹は食べる魚であったのだ。しかし、同じ秋田県人でも20歳代になると、そんな気持ちはまったく起こらないと云う。つまり、ハタハタなぞ別に喰わなくとも年越しは出来るし、生きる上で支障はないのだそうだ。ハタハタ草食系とも言えるか。そうなった原因は様々あるのだろうが、そのような世代に、食文化だからと昔ながらのハタハタの食べ方を押し付けても仕方が無い。食べ物は頭で食べるものではないからである。とすれば、しかし、それが主流になることは無いとは思うが、新しい食べ方が提案されて良いのだろうし、離れてしまったハタハタ食を引き寄せるきっかけにはなるだろう。先日、秋田の食材と料理人との商談会を覗く機会があった。ハタハタの新メニューも紹介されていたのだが、どれもこれもお洒落で、手軽に食べられるようになっていて、多くの料理人の関心を引いていた。



大手ビール会社とのタイアップPR
ゴマフリット(3種の中ではこれがうまかった)
ハタハタの甘辛タレ漬

ハタハタのカレー南蛮漬け

老舗からもハタハタの持つ良質な脂質に着目した新商品群が登場


ハタハタ飯寿司の老舗も出展されていたが、話を伺ってみると、多くの消費者は、これまでに無かった新しい商品群の購入を契機として、古くからの飯寿司にも興味を持ってくれるのだそうだ。ハタハタなど見向きもしなかった人達の関心が、新しい食べ方を通して、古い伝統的な食文化にまで深められていくのである。だからこそ、伝統の食文化を絶やしてはならないし、新しい食べ方も否定してはならない。2012年。ハタハタ食復権の年である。