2012年1月30日月曜日

北限の秋田ふぐ(その1)

道の駅「てんのう」には「北限のふぐの産地」の看板がある。詳しくは道の駅に開設された「地魚工房えがわ」の入り口に立てかけてある看板であるが、潟上市沖にはトラフグの北限の産卵場があるとされており、それが秋田のフグ類が「北限の秋田ふぐ」と呼ばれる所以の一つになっている。秋田以北でも、もちろんフグ類は獲れるが、統計上、比較的まとまったフグ類の水揚げのあるのが秋田県なのだそうである。そのうち最も高級魚とされるトラフグは、年間で6トン前後でほぼ横ばいで推移しているが、築地では、それなりに評価は高いと言う。それこそ、たまにではあるが、食べる機会もあったが、トラフグは刺し身が一番だと思う。口に入れてひととき無味状態があるが、その壁を超えた瞬間から、トラフグならではの旨味が溢れ出す。いわゆる脂の美味さではなく、熟成した筋肉の繊維の間から滲み出てくる旨味であり、いつまでも呑み込むのが惜しい味わいがある。


とは言っても、やはりトラフグは高級魚であるし、そうそう食べられるものでも無い。しかしである。フグには沢山の仲間がいて、秋田沖でも10数種類が知られている。中でも多いのがゴマフグで、年間50トン前後の水揚げがある。「地魚工房えがわ」では、ゴマフグを使った刺し身や、皮と肉の間にある「身皮」の湯引きや、ショウサイフグの唐揚げも食べることができる。もちろん持ち帰りも可能で、道の駅に隣接する温泉施設の客が、おつまみにと持ち帰ったりもしていて、平日も賑わいを見せている。
トラフグ漁は、平成4年から平成7年まで、ハタハタの全面禁漁を行った際に、新しい収入源として始められたもので、比較的歴史も浅いが、その独特のユーモラスな姿には親しみも湧くのであろう、ゴマフグやショウサイフグなどと合わせて秋田の新しいブランド「北限の秋田ふぐ」として、じわりじわりと根付きつつあるようだ。
写真は「青ふぐ(ゴマフグ)の身皮の湯引き」クニュクニュとコリコリが混じった食感と、間違いなくフグの旨味は晩酌にはもってこいの逸品であった。